プレイバックシアター∞和音♪活動ブログ

東京都城西エリア中心にパフォーマンスやワークショップを主催するなど心温まる「時間と空間」を提供し続けたいと活動中。

Essay vol.2 『プレイバックシアターが私にもたらせてくれたもの』


母であり、妻であり、娘でもあり、そして企業人でもあったり…。シチュエー
ションによってさまざまな「顔」を使い分けている私は、どこかいつもせわしな
く、心に余裕のない毎日を過ごしている。ともすると、忙しさを理由に自分自身
を振り返ることもなく、とにかく走り続けてしまう。そして首が回らないほどに
行き詰ってしまって始めて、私の「心の器」の中は、気持ちの疲れや心の垢など
ドロドロした何かで満たされていることに気がつくのだ。これが身体的な疲れな
ら、温泉へ行ったり、患部をマッサージしてもらうことで、癒されることもある
だろう。心がどうにもならないほどに疲れた時、みなさんはどんな対処をしてい
るのだろうか?



 私自身は、「プレイバックシアター」にとても助けられていると思う。プレイ
バックシアターの場で、テラー(語り手)として、私を追い詰めている何かについ
てありのままを語る。役者たちが即興で演じてくれる「私が主人公の再現ドラマ
」を第三者的な視点で観て、感じるのだ。そうすることで、私自身を取り巻いて
いる漠然とした状況が、まず整理されていく。複雑に絡み合っている要因をひと
つひとつ紐解きつつ、掘り下げていく。そして、核心まで到達したとき、心の琴
線にふれるのだ。それは、永らく濃い霧で覆われていた心の模様がスッーと晴れ
ていく瞬間でもある。時には涙が自然と頬をつたわり、流れ落ちることもある。
そのピュアな涙はモヤモヤしたものすべてを洗い流してくれる。こうして、次へ
のステップに目を向け、スタートラインに立つことができるのだ。私は何度もこ
んな体験をしてきた。



「人生いろいろ」とは、よく言ったもので、生きていれば良いも悪いもいろいろ
なことが起こるもの…。10年間の「プレイバックシアター」の活動を通じて、自
分自身に襲い掛かるさまざまな風雪に、竹のようにしなりながらも、芯は一本通
って折れないという「しなやかな強さ」をもらったような気がする。そして、暴
風雨にも負けないエネルギーをもたらせてくれた。



だからこそ、仲間とともに「プレイバックシアター」を大切に伝えていきたい…



長谷川 里美(さっと)



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